タイの会計・管理のプロ集団 テラスグループ   タイでのビジネスのことならいつでもお気軽にPLEASE TELLU US!

説明: 説明: 説明: 説明: TITLEFLAG.jpg
説明: 説明: 説明: 説明: TITLELLOGO.jpg説明: 説明: 説明: 説明: TITLE.jpg
説明: 説明: 説明: 説明: TITLEFLAG.jpg

説明: 説明: 説明: 説明: ADMP1.JPG

説明: 説明: 説明: 説明: ADMTITLE(M).jpg

説明: 説明: 説明: 説明: ADMP2.JPG

タイ国会計基準第19

従業員給付
EMPLOYEE BENEFITS

全文概説はマザーブレイン月報201710月号〜12月号に掲載

会計基準「従業員給付」は、国際会計基準でも第19号として公表されています。

タイ国会計基準としては、2015年改訂版が仏歴2559年(西暦2016年)1月1日以後に開始する事業年度から発効しています。

重要な改訂以前の基準はマザーブレイン月報2009年7〜11月号において概説しております。改訂による重要な変更点は、以下の通りです。

・退職後給付制度のうち確定給付制度において、以下のような点が改訂された。

-      数理計算上の差異は、その他の包括利益で認識され、純損益にリサイクルされない。

-      制度資産について、期待収益という概念は廃止され、確定給付制度債務を測定する際の 割引率を用いて計算される利息収益が純損益に計上される。

-      権利未確定の過去勤務費用について、これを繰延べ、権利が確定するまでの期間にわたって認識すること(いわゆる「回廊方式」)はできなくなった。制度改定または縮小の発生時点、あるいは企業が関連するリストラ費用または解雇給付を認識した時点のいずれか早い時点で、すべての過去勤務費用を認識することになる。

・解雇給付の認識時期、長短分類および確定給付制度の開示など、上記の他にも改訂が行われている。

なお、中小企業等のための会計基準(TFRS for NPAEs)では、312項において、企業が従業員給付を認識する際には、同基準304項の要件に基づき、報告期間の末日における現在の義務を決済するために要する最善の見積もりによって認識することを要求しています。確定給付の退職給付債務の認識について、TFRS for NPAEsではこれを「最善の見積もり」によって認識することとされており、会計職連盟から出されている「理解のための例示」(マザーブレイン月報20159月号に掲載しております)が、比較的簡易な計算方法の実務上の指針とされています。

TFRS for NPAEs312項ではまた、企業が従業員給付に関する引当金の認識にあたり、タイ国会計基準(フル版)第19号「従業員給付」の選択適用も可能としています(この場合、企業は従業員給付に関する全ての項目についてこれに従う必要があります)。フル版のほうを選択適用した場合、確定給付の退職給付債務は、数理計算上の過程を使用して計算(簡易な計算方法ではない。通常、保険数理人に依頼して計算)する必要があります。上記に関連した質問などに対するタイ国会計職連盟の見解も、上述の「理解のための例示」における前半部分「従業員退職後給付引当金の会計処理に関する質問および回答」においてQ&A方式によって記述されています。

タイ国会計基準19は、事業主による従業員給付の会計処理および開示を規定するものです。当基準のかなりの部分では、年金会計(退職給付会計)についての記述がなされていますが、「短期従業員給付(給与、賞与、年次有給休暇、有給疾病休暇、利益分配等)」「退職後給付(年金、その他の退職後給付、退職後生命保険、退職後医療給付)」「その他の長期従業員給付(長期勤続休暇、研究 休暇等)」および「解雇給付(希望退職等による解雇給付)」等の従業員給付を対象としています。

当基準の概要が記載されていますので、改訂後の当基準の「はじめに」を、先ずご紹介します。

はじめに

IN1.  会計基準第19号「従業員給付」は、事業主による従業員給付の会計処理および開示を定める。当基準は、従業員給付制度による報告を取り扱ってはいない(会計基準第26号「退職給付制度の会計および報告」参照)。

 

IN2.  当基準は、従業員給付の次の4分類を識別している。

2.1    次のような短期従業員給付(従業員が関連する勤務を提供した年次報告期間の末日後12か月以内に、すべてが決済されると予想される場合):賃金、給料および社会保障のための拠出、年次有給休暇および有給疾病休暇、利益分配および賞与、ならびに現在の従業員に対する非貨幣性給付(医療給付、住宅、自動車および無償または補助付きの財またはサービスなど)。

2.2    退職後給付(退職給付(例えば、年金および退職一時金)、退職後生命保険および退職後医療給付など)。

2.3    その他の長期従業員給付(長期勤続休暇または研究休暇、記念日またはその他の長期勤続給付、長期障害給付など)。

2.4    解雇給付。

 

IN3.  当基準は、従業員が給付と交換に勤務を提供した時に、企業が短期従業員給付を認識することを要求している。

 

IN4.  退職後給付制度は、確定拠出制度または確定給付制度のいずれかに分類される。当基準は、複数事業主制度、公的制度および保険が付された給付の分類に関する明示的な指針を示している。

 

IN5.  確定拠出制度の下では、企業は一定の掛金を別個の事業体(基金)に支払い、たとえ基金が従業員の当期および過去の期間の勤務に関連するすべての従業員給付を支払うために十分な資産を保有しない場合でも、企業がさらに掛金を支払うべき法的または推定的債務を有しない。当基準は、従業員が当該掛金と交換に勤務を提供したときに、確定拠出制度への拠出を認識するよう、企業に要求している。

 

IN6.  すべての他の退職後給付制度は、確定給付制度である。確定給付制度は、積立てをしない場合もあるし、一部または全部を積み立てる場合もある。当基準は、企業に次のことを要求している。

6.1    法的債務だけでなく、企業の慣習により生じる推定的債務も会計処理すること。

6.2    財務諸表で認識する金額が、報告期間の末日時点で算定した場合の金額と著しく異ならないよう、十分な定期性をもって、確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値を算定すること。

6.3    企業の債務および費用を測定するために、予測単位積増方式を使用すること。

6.4    後期の年度における従業員の勤務が、初期の年度より著しく高い水準の給付を生じさせない限り、制度の給付算定式に基づいて勤務期間に給付を帰属させること。

6.5    人口統計上の変数(従業員の離職率や死亡率等)および財務上の変数(将来の給与の上昇、医療費の変動や公的給付の特定の変動等)に関する数理計算上の仮定には、偏りがなく、かつ、互いに矛盾しないものを使用すること。財務上の仮定は、債務を決済する期間についての、報告期間の末日時点における市場の予測を基にしなければならない。

6.6    報告期間の末日時点における優良社債(そうした社債について厚みのある市場が存在しない国では国債)の市場利回りを参照して割引率を決定すること。その通貨および期間は、退職後給付債務の通貨および期間と整合していること。

6.7    確定給付負債(資産)の純額を算定するために、債務の帳簿価額から制度資産の公正価値を差し引くこと。制度資産として適格でない一部の補填の権利は、制度資産と同様の方法で処理するが、債務からの控除としてではなく別個の資産として表示する。

6.8    確定給付資産の純額の帳簿価額を、制度からの返還または制度への将来掛金の減額という形で利用可能な経済的便益を超えないように制限すること。

6.9    確定給付負債(資産)の純額のすべての変動を、発生時に、次のように認識すること。

6.9.1     勤務費用および利息純額を純損益に。

6.9.2     再測定をその他の包括利益に。

 

IN7.  従業員給付のうち、短期従業員給付、退職後給付および解雇給付以外のものは、その他の長期従業員給付である。その他の長期従業員給付について、当基準は、退職後給付と同じ認識および測定を要求しているが、その他の長期従業員給付に係る負債の帳簿価額のすべての変動は、純損益に認識する。当基準は、その他の長期従業員給付についての特定の開示を要求していない。

 

IN8.  解雇給付は、通常の退職日前に従業員の雇用を終了するという企業の決定または雇用の終了と交換に給付の申し出を受け入れるという従業員の決定のいずれかの結果として、支払われる従業員給付である。企業は、もはや当該給付の申し出を撤回できなくなった時、または関連するリストラクチャリング 費用を認識する時のいずれか早い方の時点で、解雇給付の認識を要求される。

当基準の目次は以下のとおりです。

目的

1

範囲

 

2

定義

 

8

短期従業員給付

 

9

認識および測定

 

11

すべての短期従業員給付

 

11

短期有給休暇

 

13

利益分配および賞与制度

 

19

開示

 

25

退職後給付:確定拠出制度と確定給付制度との区別

 

26

複数事業主制度

 

32

共通支配下にある企業間でリスクを分担する確定給付制度

 

40

公的制度

 

43

保険が付された給付

 

46

退職後給付:確定拠出制度

 

50

認識および測定

 

51

開示

 

53

退職後給付:確定給付制度

 

55

認識および測定

 

56

推定的債務の会計処理

 

61

財政状態計算書

 

63

認識および測定:確定給付制度債務の現在価値および当期勤務費用

 

66

数理計算上の評価方法                                

 

67

給付の勤務期間への帰属

 

70

数理計算上の仮定

 

75

数理計算上の仮定:死亡率

 

81

数理計算上の仮定:割引率

 

83

数理計算上の仮定:給与、給付および医療費

 

87

過去勤務費用および清算損益

 

99

過去勤務費用

 

102

清算損益

 

109

認識および測定:制度資産

 

113

制度資産の公正価値

 

113

補填

 

116

確定給付費用の内訳

 

120

確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額

 

123

確定給付負債(資産)の純額の再測定

 

127

表示

 

131

相殺

 

131

流動・非流動の区分

 

133

確定給付費用の内訳

 

134

開示

 

135

確定給付制度の特徴および関連するリスク

 

139

財務諸表上の金額の説明

 

140

将来キャッシュ・フローの金額、時期および不確実性

 

145

複数事業主制度

 

148

共通支配下にある企業間でリスクを分担する確定給付制度

 

149

他の財務報告基準の開示要求

 

151

その他の長期従業員給付

 

153

認識および測定

 

155

開示

 

158

解雇給付

 

159

認識

 

165

測定

 

169

開示

 

171

経過措置および発効日

 

172

会社住所

ADM Progress Ltd. (略称: ADM

4TH FLOOR, NO.4C 15 OF SUPAKARN BUILDING,
723 CHAROEN NAKORN ROAD, KLONG TONSAI,
 KLONGSAN, BANGKOK 10600

[電話] 0-2439-2630         [FAX] 0-2439-2634

代表: 河本 和行(かわもと かずゆき)
   
(日本国公認会計士、証券アナリスト、タイ語能力試験ポーホック1999年合格)


説明: 説明: 説明: 説明: LOGOPAGETOP.jpg
  説明: 説明: 説明: 説明: LOGOHOMEPAGE.jpg  説明: 説明: 説明: 説明: LOGOMAIL.jpg

このホームページへの御意見・ご質問のみ承ります。各社への連絡は、お電話かFAXにてお願いします。
メールの際は、適切なタイトルをつけてお送り下さい。


Copyright (C) 2002 Mother Brain (Thailand) Co., Lt